CASE-C/T-OFFICE
国道373号線を車で走っている時、智頭中学校を過ぎたあたりで、川向こうにある白と黒の建物を見て、「あれは何の建物だろう?」と疑問に思った人は多いだろう。
「あれはカフェですか? と役場に問い合わせた人もいたそうです」と話すTさんは、橋や道路などをつくる建設業の社長で、実はこの建物はそのオフィスなのだ。
「一見、建設業ぽくない、かっこいい社屋にしたかったんですよ。なぜかって? この山奥でしょう。ここにプレハブの事務所を建てて、新卒の方に入社してくださいって言ってもなかなか来てくれませんよ。でも、小林くん(PLUS CASA)にこれを設計してもらってからは、大学生の方から門を叩いてくれるようになったんですよ」
確かに、山間部にある智頭町の建設業と聞けば、もっと素朴で無骨なビルをイメージするかも知れない。山と川、あとは昔ながらの民家がちらほら見える、そんな景色の中にまるで「龍が天に昇る」ようなかたちの、白と黒のモノトーンの建物があれば、建設業への求職者でなくとも、誰だって気になるはずだ。
エントランスを入ると、何かのセレモニー会場かと見紛う、ライトアップされた階段。それを上がると正面に幅20メートル以上の大開口、広大なウッドデッキ、その向こうには豊かな智頭の自然。白、黒、赤など、様々な色で構成される市松模様が意匠に用いられた屋内は、モダンな雰囲気で、周辺の景色との強いコントラストを示す。初めての来客者は驚きの連続で、エントランスから社長室に入って腰を下ろすまでに「6回は凄いですね!と言いますね(笑)」とTさん。
もしかすると、この社屋には、そうしたビジネス的演出の意図があったのかも知れない。しかし、そうではない、別の意図、考えがあったのではないか。社屋を案内してもいながら、豪快だがとても柔らかな物腰で繊細な気遣いをするTさんの話を聞き、ふと、そう感じたのだ。
地域の過疎、人口減少問題、建設業の労働力不足など、日本全体、智頭町、建設業界に様々な問題がある中で、智頭町にいかにして注目を集めるか、労働力となる若い世代にいかにして来てもらうか。労働環境や労働条件を改善し、いかに気持ちよく、いかに長く働いてもらえるか。
こうした難しい問題に対するTさんのアプローチが、この社屋だったのではないか。「僕らの時代みたいに仕事ばかりじゃダメだ。しっかり休み、遊ばないと」という言葉や、シャワーが完備された清潔な仮眠室、デスクワーク可能なウッドデッキなど、社員の快適な就労環境に配慮された社屋を見ていると、そう確信するのだ。
「あれはカフェですか? と役場に問い合わせた人もいたそうです」と話すTさんは、橋や道路などをつくる建設業の社長で、実はこの建物はそのオフィスなのだ。
「一見、建設業ぽくない、かっこいい社屋にしたかったんですよ。なぜかって? この山奥でしょう。ここにプレハブの事務所を建てて、新卒の方に入社してくださいって言ってもなかなか来てくれませんよ。でも、小林くん(PLUS CASA)にこれを設計してもらってからは、大学生の方から門を叩いてくれるようになったんですよ」
確かに、山間部にある智頭町の建設業と聞けば、もっと素朴で無骨なビルをイメージするかも知れない。山と川、あとは昔ながらの民家がちらほら見える、そんな景色の中にまるで「龍が天に昇る」ようなかたちの、白と黒のモノトーンの建物があれば、建設業への求職者でなくとも、誰だって気になるはずだ。
エントランスを入ると、何かのセレモニー会場かと見紛う、ライトアップされた階段。それを上がると正面に幅20メートル以上の大開口、広大なウッドデッキ、その向こうには豊かな智頭の自然。白、黒、赤など、様々な色で構成される市松模様が意匠に用いられた屋内は、モダンな雰囲気で、周辺の景色との強いコントラストを示す。初めての来客者は驚きの連続で、エントランスから社長室に入って腰を下ろすまでに「6回は凄いですね!と言いますね(笑)」とTさん。
もしかすると、この社屋には、そうしたビジネス的演出の意図があったのかも知れない。しかし、そうではない、別の意図、考えがあったのではないか。社屋を案内してもいながら、豪快だがとても柔らかな物腰で繊細な気遣いをするTさんの話を聞き、ふと、そう感じたのだ。
地域の過疎、人口減少問題、建設業の労働力不足など、日本全体、智頭町、建設業界に様々な問題がある中で、智頭町にいかにして注目を集めるか、労働力となる若い世代にいかにして来てもらうか。労働環境や労働条件を改善し、いかに気持ちよく、いかに長く働いてもらえるか。
こうした難しい問題に対するTさんのアプローチが、この社屋だったのではないか。「僕らの時代みたいに仕事ばかりじゃダメだ。しっかり休み、遊ばないと」という言葉や、シャワーが完備された清潔な仮眠室、デスクワーク可能なウッドデッキなど、社員の快適な就労環境に配慮された社屋を見ていると、そう確信するのだ。
Project Year: 2015
Country: Japan