株式会社PLUS CASA

HOME BASE

これは私たちの自邸である。
これまでは実家に両親と同居していた。しかしライフスタイルや価値観のまるで違う父が建てたその家は、私たちにとっていつまで経っても暮らしにくく愛着の持てるものではなかった。また事務所と家が離れていたことも不規則不定休な仕事と家事育児を両立する支障となっていた。さらに、豊かな暮らしを提唱し、人の住空間を考える立場にありながら、このような現状に甘んじていることを常に後ろめたく感じていたことも事実である。数年にわたり考えた末、事務所に併設する資材置き場として使っていた倉庫を、私たちの居住スペースにリノベーションするという結論に至った。
床面積215㎡。最高天井高5m。まずはこのがらんとした空間の温熱環境をいかにして整えるかが課題となる。できる限り身近に集められるエネルギーを活用したいと考え、夏は川の水を利用して屋根の散水冷却を、冬は燃料として山の木を利用する薪ストーブを採用した。予算上、外部は一切触れず内部も1つの箱と2枚の壁を配するだけのシンプルな間取りへと収束していった。
最小限の要素と単純な構成から生まれる大小の余白。そこに機能を与えることで成立した巨大なワンルーム空間。資材に埋もれていた真っ暗な倉庫は、四季折々に変化するパノラマの樹林風景と共に過ごす住空間となって生まれ変わった。そして一年を通し薪づくりに汗をかき、自然と共にある暮らしを実感し、質素でも自分たちのライフスタイルに合った家で子供たちと暮らすことの豊かさを私たちは今、身をもって体現している。
Project Year: 2016
Country: Japan